（6）８月２９日（金）　……　ホータン〜クチャ

10:10……新華書店

本の量はあまり多いとはいえない。入口正面には文庫よりも小さめの判の小説が並んでいて、中には山口百恵主演のテレビドラマや「おしん」など、見覚えのある写真が表紙を飾っている本もあった。カウンターの向こうに書棚があり、客は店員にお願いして本を見せていただく。店員はニコリともせずに本を渡し、買う気がなさそうだと見るやさっと引っ込めてしまう（もっとも当時の国営商店ではどこでも同じような対応だった）。0.56元の西域地図を買った。

10:30……バザール（和田貿易市場）

ふたたび。

12:00……招待所

昼食。崑崙佳釀（クンルンジアニャン）（佳釀には美酒の意味がある。和田葡萄酒廠製造の、いわば「地ワイン」。味のほうは……）。招待所の服務員はみんな20歳前の娘たち。一緒に写真を撮る。（18歳だった陳文莉（チェン・ウェンリ）さん（写真）は数年後に結婚。1992年のホータン再訪では可愛い息子さんにも会った）

13:00……ホータン空港

きょうは時間どおりにアクスから飛んできた。日本人が数人降りてきたが、一目で旅行者ではないとわかる。東京から来た石油関係者ということだけ話してくれた。かれらもこんなところで日本人のグループに出会うとは思っていなかったに違いない。
　28日の午後、先発組が出発する直前にはスイス人が数人招待所に入ったが、こちらは石油採掘現場から来たところで、30日にウルムチへ向かうという話であった。
　崑崙山脈がかすんで見える。かすんでいるのは空中に舞う細かい砂ぼこり（ダスト）のせいである。はっきり見える日のほうが少ないという。
　14:30ほぼ定刻に離陸。

15:30……アクス空港着

アクスに１泊した先発隊と合流。バン２台でクチャへ向け出発したのは16:00。砂漠の道は交通量はそれほど多くはないとはいえ、一般道を時速90キロ近い速度で飛ばす。それでも景色が遠いからそんなに速いと感じない。運転手は、ベテラン王貴（ワン・クイ）さん（42歳）とウイグル族の青年ジュライテさん（22歳）。

16:50〜17:10……カラユルグン

休憩

18:00〜18:15……（地名不詳）

休憩

20:05……クチャ（庫車）賓館

アクスからクチャまで270km。休憩を含めて約４時間。
　私たちの荷物は後から別の車で追いかけてくるはずだったが、じつはこの時点ではまだアクスにあったらしい。どうも車の手配ができていなかったようなのだが、荷物がクチャに着いたのは午前２時であった。
クチャ

20:30……賓館

夕食。食後の腹ごなしに散歩に出た。帰りは馬車タクシーで疾走。１人0.2元。